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- 私立歯学部の総合型選抜(AO入試)を受 けないのは、もったいなさ過ぎる
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この記事の目次
1.はじめに:歯学部を目指す受験生へ
高校生の皆さん、そしてその保護者の方々へ。「歯学部に進学したい」と考えている受験生にとって、歯学部につながる歯学部受験のルートはひとつではありません。一般選抜、学校推薦型選抜、そして総合型選抜(AO入試)と、さまざまな選択肢があります。その中でも、私立歯学部を目指す受験生にとって、総合型選抜(AO入試)を受けないという選択は、あまりにも「もったいない」と言わざるを得ません。
この記事では、なぜ総合型選抜を活用すべきなのか、そのメリットや特徴、そして受験に向けた対策まで、詳しく解説します。
2.総合型選抜(AO入試)とは?
総合型選抜は、以前「AO入試」と呼ばれていた入試方式です。学力試験の成績だけでなく、「その人がどんな人物か」「将来どんなことをしたいのか」「歯科医師としての志望動機」など、総合的な観点から合否を判断します。志望理由書や自己推薦書、面接、小論文などを通して、自分の意欲や個性をアピールできる入試方式です。
3.なぜ“もったいない”のか?──総合型選抜の5つのメリット
3-1.合格のチャンスが増える
歯学部の一般入試は、数学・理科・英語などの科目で高得点を取らなければなりません。しかも、倍率が高く、年々難化している傾向にあります。しかし、総合型選抜は出願時期が早く、倍率も比較的低め。受験時期も10〜11月と早いため、早期に合格を勝ち取ることが出来る可能性が十分にあります。
明海大学歯学部のように、併願可の私立歯学部総合型選抜(AO入試)もあります。
早期に歯学部合格をつかんでおけば、余裕を持って学校推薦型選抜や一般選抜に臨むことが出来ます。
私立歯学部受験は総合型選抜(AO入試)から始まり、学校推薦型選抜(推薦入試)、一般選抜(一般入試)と続いていきます。総合型選抜を受験することで、歯学部合格のチャンスが増えます。これを生かさない手はありません。
3-2.学力に自信がなくてもチャレンジできる
「理数科目が苦手だから…」、「英語は中学の時から苦手、伸びる気がしない」と歯学部をあきらめかけている人こそ、総合型選抜を検討すべきです。たとえば、志望理由書で歯科医師への熱意や、これまでの探究活動、医療体験などをしっかり伝えれば、学力試験でカバーできなかった部分を補うことができます。大学側も「将来性」「人物像」を重視するので、学力一点突破型の受験に比べて可能性が広がります。
昭和医科大学歯学部や愛知学院大学歯学部の総合型選抜では、学力試験はありません。学力に自信の持てない歯学部受験生こそ、総合型選抜(AO入試)を真剣に考えるべきです。
また評定平均での出願制限は多くの大学で設けていませんので、高校の成績が良くなくても的確な総合型対策が出来れば、十分にチャンスはあります。
3-3.「志望動機」が強い受験生に有利
歯科医師を目指す明確な理由がある人には、大きなアドバンテージになります。家族が歯科医師である、地域医療に貢献したい、海外で歯科ボランティアをしたいなど、動機が具体的であればあるほど、説得力が増します。歯学部入試は、どの入試方式でも「歯学部の学生として相応しいか」、「入学後、他の学生の模範となるくらい頑張ってくれるか」を問われます。面接や書類審査で「この学生は本気で歯科医を目指している」と伝われば、合格にぐっと近づきます。
3-4. 評定平均や調査書を活用できる
多くの私立歯学部では、評定平均(高校の成績)や調査書の内容も評価対象になります。定期テストや委員会活動、部活などを頑張ってきた人にとっては、これまでの努力がしっかり活かされます。「定期テストでは成績が良いけど、模試で点が取れない」という人にもぴったりの方式です。
3-5. 一般入試、学校推薦型選抜との併願が可能
受験生の中には「志望校の総合型選抜で不合格になったら、推薦や一般で不利になるのでは?」と心配する人もいるようですが、それぞれの入試方式で求める受験生像は異なりますので総合型で不合格になっても、その後に推薦や一般入試に問題なくチャレンジできます。また、実際の歯学部入試を受けることで多少なりとも「慣れ」が出来ます。特に面接は後に繋がります。歯学部の総合型選抜(AO入試)は、「受けるだけでも得」な制度と言えます。
4. 総合型選抜を実施している主な私立歯学部
17ある私立歯学部のうち、12歯学部で総合型選抜を導入しています。以下は一例です
・ 昭和医科大学:模擬授業、理解度の確認+面接
・ 明海大学:数学的思考力テスト+面接+小論文
・ 愛知学院大学:小論文+面接
・ 朝日大学:基礎能力テスト+プレゼンテーション+面接
私立歯学部で人気1位・2位を争う昭和医科大学歯学部の総合型選抜(AO入試)は、「歯学部の学生として相応しいか」を直接的に評価します。学力は問われません。
ちなみに「昭和医科総合型合格者は、みんなこうしている」という合格の秘訣もあります。
5. 受験までにやるべき準備
5-1.志望理由書・自己推薦書の作成
自分がなぜ歯科医師を目指すのか、なぜその大学を志望するのかを論理的に、そして情熱的に書く必要があります。具体的なエピソードや体験談を交えることで、説得力が増します。文章構成や言葉遣いにも注意が必要です。
ここで大切なことは「自分が満足する志望理由書・自己推薦書」ではなく、「歯学部教員が満足する志望理由書・自己推薦書」でなければならない、ということです。出来ればオンライン個別指導メルオンのように、歯学部関係者と密に接触して「歯学部の本音」を分かっている予備校に見てもらうといいでしょう。
5-2. 面接対策
歯学部の面接では、志望動機や高校での学び、将来像について問われます。また、医療人としての倫理観や協調性などもチェックされます。模擬面接を重ねて、自信を持って話せるようにしておきましょう。
面接で聞かれることは、大学ごとに毎年同じような質問が繰り返されています。「問題が分かっている試験」ですから、十分な準備が出来ます。出願書類と同じように「歯学部受験に強い予備校」に面接対策をしてもらうと安心です。
面接もポイントは「歯学部の面接官が満足する答え」を準備することです。
5-3.小論文対策
小論文が課される場合は、歯科医療や倫理、社会課題などについての知識を身につけておく必要があります。普段から新聞や医療関連の記事を読む習慣をつけ、時事問題への理解を深めましょう。
出来れば、「志望校の総合型選抜(AO入試)では、これまでどういった小論文が出題されたか」を知って、それに合わせた的確な準備を進めると試験に安心して臨めます。
自分で分からなければ、「歯学部受験に詳しい予備校」に聞いてみるのもいいでしょう。
6. 総合型選抜は「人生を変えるチャンス」
歯学部の入試は、決して学力だけで決まるものではありません。特に私立大学は、入学後の可能性や人間性を重視する傾向があり、総合型選抜はそれを最も反映した入試方式です。
学力に不安がある人でも、「歯科医師になりたい」という想いが強く、準備をしっかり行えば、合格のチャンスは十分にあります。逆に、このチャンスを活かさない手はありません。
7. まとめ:今こそ、一歩踏み出そう
・ 総合型選抜は、学力以外の部分でも評価されるチャンスのある入試。
・ 学力に自信がなくても、志望動機や人物面でアピール可能。
・ そもそも、学力試験の無い大学もある。
・ 歯学部合格のチャンスが広がり、合格することが出来れば精神的にも余裕が生まれる。
・ 多くの私立歯学部で実施されており、評定平均での縛りもほとんど無い。
・ しっかりとした準備がカギ。今すぐにでも動き出す価値がある。
・ 具体的な準備が分からなければ、歯学部受験に詳しい予備校に相談する。
歯科医師という職業は、人の生活の質を直接向上させる尊い仕事です。その道に進むための第一歩として、総合型選抜は非常に有効なルートです。今からでも遅くはありません。
自分の可能性を広げるために、ぜひチャレンジしてみてください。