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歯学部の試験科目は様々。それを知ることが歯学部合格の秘訣

この記事の目次

     

    1.歯学部受験は志願者増加傾向

     

    歯学部受験は国公立歯学部も私立歯学部も、ここ数年志願者が増加しています。
    大学受験全体の志願者は18歳人口が減少する中、志願者減少傾向の学部またはせいぜい横ばいの学部がほとんどです。
    そんな中、歯学部の志願者はここのところ国公立歯学部も私立歯学部も志願者は増加傾向にあり、極めて珍しい学部となっています。

     

    歯学部の志願者増の要因は様々言われていますが、「これ!!」というものは無く、「歯科医師数が減少に入った」、「政府の骨太の方針に国民皆歯科検診が入った」、「医学部が難しくなり過ぎた」などの要因が絡み合って志願者増につながっていると考えられます。

     

    歯学部の志願者が増えていることから、歯学部の入試難易度も高まる傾向にあります。

     

    そんな歯学部受験ですが、「歯学部の試験科目」を知ることは歯学部合格に直結します。

     

     

     

    2.国公立大学歯学部一般選抜と編入学試験の試験科目

     

    国公立大学歯学部一般選抜の試験は、まず共通テストを受けるところから始まります。試験科目は国語、英語(外国語)、数学、理科、地歴公民の5教科7科目が原則ですが、東京科学大学(東京医科歯科大学)歯学部後期日程では地歴公民は無くなります。

     

    国公立歯学部の2次試験(個別学力試験)ですが数学、理科、英語(外国語)、そして面接が一般的ですが、東京科学大学歯学部、広島大学歯学部、徳島大学歯学部の後期では面接に加えて小論文も課されます。

     

    なお、新潟大学歯学部と鹿児島大学歯学部の後期の2次試験は面接のみが実施され、共通テストの成績と面接の評価で合否が判定されます。

     

    国公立歯学部の編入学試験は実施する大学は新潟大学歯学部、岡山大学歯学部など実施する大学は少ないのですが、編入学試験の試験科目は小論文と面接が一般的で試験科目は一般選抜に比べ負担は少なくなります。

     

    ただ、国公立大学歯学部編入学試験の小論文はそれほど単純ではありませんので、志望校の編入学試験ではどのような小論文が出題されたのかを調べることが欠かせません。小論文という名称であっても、実質的に学力試験の要素が強くなったりします。
    また面接も「歯学部再受験生への面接」となり、普通の受験生の面接とは質問内容が異なりますので、注意が必要です。「国公立歯学部編入の面接対策」が欠かせません。

     

     

     

    3.国公立大学歯学部総合型選抜と学校推薦型選抜の試験科目

     

    国公立歯学部の総合型選抜(AO入試)では東北大学歯学部のように筆記試験を行う大学もあれば、広島大学歯学部の小論文と面接、鹿児島大学歯学部の講義理解力テストなど、大学によって様々な試験が課されます。
    国公立歯学部の総合型選抜を考えるのであれば、どういった内容の試験になるのか、試験内容をきちんと把握するようにしてください。

     

    国公立大学歯学部の学校推薦型選抜(推薦入試)を実施する大学の試験内容も様々です。
    東京科学大学(東京医科歯科大学)歯学部のように特殊な筆記試験を行う大学もあれば、新潟大学歯学部のように小論文と面接だけの大学もあります。
    ただ、共通テストの受験が原則となりますので、共通テストの準備と合わせて各大学の推薦入試対策を進めて下さい。

     

     

     

    4.私立歯学部総合型選抜(AO入試)の試験科目

     

    私立大学歯学部では総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)をほとんどの大学が行いますが、その試験内容は実に様々です。

     

    私立歯学部では北海道医療大学、奥羽大学、明海大学、日本大学松戸歯学部、昭和大学、神奈川歯科大学、鶴見大学、日本歯科大学新潟生命歯学部、松本歯科大学、朝日大学、愛知学院大学、福岡歯科大学の12歯学部が総合型選抜を実施しています。

     

    東京歯科大学、日本大学歯学部、日本歯科大学生命歯学部、大阪歯科大学といった人気歯学部では総合型選抜(AO入試)を実施していませんが、「この大学の歯学部なら」という大学があるのであれば、まずは総合型選抜の受験から考えるといいでしょう。

     

    ただし、私立歯学部の総合型選抜は試験内容が大学によって全く異なります。
    日本大学松戸歯学部、神奈川歯科大学、鶴見大学歯学部、朝日大学歯学部、福岡歯科大学の総合型選抜では、「基礎学力試験」が行われます。
    受験生や親御さんの認識として「総合型選抜は学力試験を行わないで、これまでやってきたこと、意欲などを基に合否を判定する」と考えている人も多いのではないでしょうか?
    一般的には、総合型選抜はそのように言われていますが、歯学部の総合型選抜(AO入試)では、その感覚は通じません。卒業後に歯科医師国家試験が控えていますので、そこを見据えての選抜とならざるを得ません。

     

    歯学部の「基礎学力試験」ですが、一口に「基礎学力試験」と言ってもその内容は大学によって異なります。日本大学松戸歯学部や松本歯科大学(教養考査)では国語も出題されます。朝日大学歯学部(基礎能力テスト)では時事問題も出題されます。基礎学力試験を行う歯学部を受験する際には、その内容まで把握することが出来ないと的確な準備は出来ません。

     

    ちなみに北海道医療大学歯学部の総合型選抜では生物基礎、化学基礎のどちらか1科目を解くことになります。また、明海大学歯学部総合型選抜では、試験時期によって試験内容が変化しますので注意が必要です。

     

    昭和大学歯学部の総合型選抜(AO入試)では、歯学部教員による講義を聞いて、そのあとに講義内容に関する理解度の確認テストを行います。まさに、「歯学部の勉強について行けるか」を直接的に計る歯学部入試です。学力試験以上に「入学者選抜」に相応しい歯学部入試と言っても良さそうです。

     

    昭和大学歯学部の総合型選抜の試験内容は、高校や塾の勉強だけでは対処が難しいと考えられます。歯学部受験に詳しい予備校の昭和大学歯学部総合型選抜対策講座を利用するといいでしょう。実は、「合格者は試験当日、こうしていた」という合格のポイントがありますが、そういったことも教えてくれます。

     

     

     

    5.私立歯学部学校推薦型選抜(推薦入試)の試験科目と面接・小論文

     

    私立歯学部では17歯学部全てで学校推薦型選抜(推薦入試)を行っています。評定平均での制限もほとんどの大学ではありませんので、「歯学部志望者は全員が受ける」と言っても過言ではないでしょう。「歯学部受験は推薦入試が本番入試」と言われる所以です。実際に合格者数も、募集人員を超える歯学部が多くなります。

     

    私立歯学部学校推薦型選抜(推薦入試)の試験科目ですが、基本的に学力を問う筆記試験が行われます。ただ、その筆記試験ですが日本歯科大学の様に「英語小テスト」のみの大学もあれば東京歯科大学、昭和大学歯学部や大阪歯科大学の推薦入試のように英語、数学、理科1科目と一般選抜と同じ試験科目を課す大学もあります。

     

    ちなみに昭和大学歯学部推薦入試では、数学に代えて国語(現代文)を選択することも可能です。

     

    私立歯学部の学校推薦型選抜では学力試験の他に、小論文と面接もあるのが一般的です。小論文と面接の準備も欠かせませんが、志望校の小論文と面接に合わせた準備を進めて下さい。「どのようなタイプの小論文が出ても大丈夫」は理想ですが、受験勉強は限られた時間の中で行いますので、「志望校で出る小論文」に向けての要領のいい準備を進めて下さい。

     

    面接は、大学によって聞かれることは毎年同じです。志望校の面接で聞かれることに対する準備を進めて下さい。ちなみに歯学部の面接対策を、1回に1時間も2時間もかけるのは無駄です。面接指導は30分から45分の指導で十分です。面接指導が終われば、「指摘された点を練り直し再度、聞いてもらう」ことが大切で、自分で考える時間を設けないと実際の面接で柔軟な対応が出来なくなります。

     

     

     

    6.私立歯学部推薦は試験科目を知るだけでは不十分。過去問が無い時は?

     

    私立歯学部の学校推薦型選抜の受験校を決める際には試験科目も重要な要素になります。とは言え、例えば一口に「英語」と言っても、「文法問題や発音アクセントは出るのか?」、「長文ではどのような問題になるのか?」、「東京歯科大学の並べ替えのように、毎年必ず出る問題はあるのか?」といったことまで知りたいものです。

     

    数学も同様で、試験範囲は必ず確認する必要があります。また、「データの分析はこれまで実際に出題されているのか?」、「毎年必ず出る分野はどこか?」、「問題の難易度はどうなのか?」といったことを知ることが出来れば、自分に合った的確な受験校選定が出来ます。

     

    ここで受験生を悩ませるのは、「推薦入試の過去問を公表していない大学が少なくない」ということです。

     

    歯学部受験生の人気の高い東京歯科大学や日本歯科大学では、推薦入試の過去問を公表していません。大阪歯科大学ではオープンキャンパスに参加すると過去問を貰うことが出来ますが、昨年のものだけです。1年分では傾向分析が出来ません。

     

    こういった大学については、オンライン個別指導メルオンのように私立歯学部入試に詳しい予備校に相談してみるといいと思います。毎年、受験した生徒からの報告の積み重ねがありますので、出題内容をほとんど完璧に把握しているはずです。東京歯科大学推薦入試の数学のように、一般選抜とは全く違う出題傾向の場合もありますので、「推薦入試の出題傾向」を知ることは重要です。

     

     

     

    7.私立歯学部編入学試験の試験科目

     

    私立歯学部には編入学試験もあります。愛知学院大学歯学部を除く16の歯学部で編入学試験を実施しています。北海道医療大学歯学部、奥羽大学歯学部や鶴見大学歯学部には3年次に編入学出来る編入学試験もあります。

     

    私立歯学部編入学試験の試験内容ですが、日本歯科大学のように試験時間30分の「英語小テスト」のみの大学もあれば、昭和大学歯学部のように英語、数学、理科1科目の大学や東京歯科大学のように英語、数学に加えて理科3科目も出題される大学もあります。

     

    試験内容を確認して、自分に合った試験科目の大学を探すといいでしょう。

     

     

     

    8.私立歯学部一般選抜の試験科目は複雑。自分で調べられない時の対処法

     

    私立歯学部入試は一般選抜もありますが、一般選抜も通常の一般選抜(一般入試)の他に共通テスト利用入試もあります。また、通常の一般選抜(一般入試)には前期・1期と後期・2期があります。中には一般入試を3回行う大学もあります。

     

    一般選抜の試験科目は英語、数学、理科の3科目が基本です。ただ、数学の試験範囲は大学によって異なります。例えば、東京歯科大学も昭和大学歯学部も大阪歯科大学も一般選抜の数学の出題範囲は数学Ⅰ、Ⅱ、A、B,Cですが、東京歯科大学と大阪歯科大学はデータの分析も出題範囲に入っていますが昭和大学歯学部では、出題範囲から
    除かれています。数列は大阪歯科大学のみが試験範囲としています。

     

    ちなみに、昭和大学歯学部の推薦入試では数学は「数学Ⅰ(データの分析を除く)のみ」となっていて一般選抜とは試験範囲が異なっています。

     

    歯学部受験において受験生の皆さんは、数学の試験範囲に注意が必要です。
    同様に理科も「生物(化学、物理)」なのか「生物基礎(化学基礎、物理基礎)」なのかを確認してください。

     

    私立歯学部一般選抜では前期・1期と後期・2期では試験科目が変わる大学もあります。例えば、東京歯科大学一般1期では英語、数学、理科1科目が課されますが、同じ東京歯科大学一般選抜でも2期では英語、数学または理科1科目となります。愛知学院大学歯学部の後期入試では前期にあった英語が無くなります。
    日本大学歯学部一般選抜はA方式とN方式の2つの歯学部入試を行いますが、試験科目は、同じではありません。

     

    このように、私立歯学部一般選抜(一般入試)の試験科目は大学によって、試験時期によって大きく変わります。自分に合った歯学部入試を捜してみてください。自分で調べるのは難しいと感じた場合は、メルオンのような私立歯学部受験に詳しい予備校に相談してみるのもいいと思います。具体的に自分に合っている一般選抜も教えてくれると思います。 

     

     

     

    9.私立歯学部の共通テスト路用入試の試験科目

     

    最後に私立歯学部の共通テスト利用入試です。

     

    私立歯学部では奥羽大学歯学部を除く16歯学部で、共通テスト利用入試を行っていますが、必要となる科目は本当に様々ですので、じっくり出願校を考えて下さい。

     

    東京歯科大学共通テスト利用入試1期と昭和大学歯学部共通テスト利用入試は、どちらも英語、数学、理科1科目ですが東京歯科大学では英語リスニングは必要ないのに対し昭和大学歯学部では英語リスニングも必要となります。

     

    日本歯科大学の共通テスト利用入試では数学に代えて国語を使うことも可能です。

     

    日本大学歯学部共通テスト利用入試1期は英語と理科だけで数学は必要ありません。

     

    私立歯学部の共通テスト利用入試の試験科目は通常の一般選抜同様に複雑です。自分で調べるのは難しいと感じた場合は、メルオンのような私立歯学部受験に詳しい予備校に聞いてみるといいと思います。

     

     

     

    10.まとめ

     

    国公立歯学部入試も私立歯学部入試も、大学や入試種別、試験の実施時期によって試験科目は変わります。志望する歯学部合格のためには、それぞれの試験科目、出題範囲を知ることで「自分にあった歯学部入試」を受けることが出来ます。

     

    また、志望校合格に向けた的確な準備が可能となります。

     

    歯学部受験の試験科目は大学によって様々です。自分で調べられればいいのですが、忙しい受験生には、なかなかそういった時間が無いかもしれません。そういった時にはオンライン個別指導メルオンなどの歯学部入試に詳しい予備校に相談するといいでしょう。親切に相談に乗ってくれると思います。