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昭和大学歯学部の偏差値は?求める人物像から入試対策まで歯学部受験のプロが解説

この記事の目次

    1.昭和大学に関する基本情報

     

    1-1.昭和大学歯学部が望む学生像とは?

     

    昭和大学は医療系の総合大学として「優れた医療人の育成」を掲げています。
    昭和大学が考える優れた医療人とは、「専門分野の知識・技術に加えて思いやりと優しさを持っている人」を言います。

     

    昭和大学が求める学生像は、このように書かれています。

     

    ・常に真心を持って人に尽くす意欲と情熱のある人
    ・チーム医療を担うための協調性と柔軟性のある人
    ・医療や健康に関わる科学に強い関心を持つ人
    ・自ら問題を発見し解決する積極性のある人
    ・医療を通じた国際社会への貢献に関心のある人
    ・年次の全寮制共同生活・学修に積極的に取り組める人

     

    こういった人物を昭和大学は求めています。

     

    そして、歯学部が求める人物像としてアドミッションポリシーには下記のように書かれています。

     

    1.歯科医師として明確な目的意識を持つ人
    2.本学に対する明確な志望動機を有する人
    3.中等教育の学業において、数学や理科(物理、化学、生物)などの自然科学と英語の基礎知識を持ち、国語、社会も幅広く履修した人
    4.種々の学習課題に自分で計画立てて取り組める人
    5.他者を理解し、思いやりの心を持てる人
    6.責任をもって行動できる人
    7.社会に対する十分な理解と基本的なコミュニケーション能力を持つ人
    8.1年次の全寮制共同生活・学修に積極的に取り組める人

     

    昭和大学の面接では、こういった人物を意識して答えて下さい。

     

     

     

    1-2.昭和大学歯学部の偏差値

     

    河合塾、駿台予備学校、ベネッセ、東進が主催する4大模試の歯学部の偏差値ランキングを見ると昭和大学歯学部の偏差値は、こうなっています。

     
     
      河合塾 駿台 ベネッセ 東進
    昭和大学 52.5 49 65 56
    東京歯科大学 55.0 50 59 62
     

     

    河合塾、駿台予備学校、東進は、私立歯学部で最も難しいのは東京歯科大学としています。そして東京歯科大学に次ぐ難易度の大学は昭和大学歯学部としています。
    ただベネッセだけは、私立歯学部最難関は昭和大学歯学部としています。

     

    いずれにしても、昭和大学歯学部が難関校であることは明白です。

     

     

     

    1-3.昭和大学歯学部の偏差値の推移

     

    昭和大学歯学部の偏差値推移を駿台予備学校が発表する偏差値で見てみましょう。

     

    駿台予備学校の私立歯学部偏差値ランキングの推移

     

      2010年 2015年 2020年 2023年 2024年
    昭和大学 51 50 52 53 49
    東京歯科大学 51 51 52 53 50
    日本歯科 50 50 51 49 47
    大阪歯科 51 51 51 51 49
     

    駿台予備学校の私立歯学部偏差値ランキングでは、常に東京歯科大学に続く難易度の歯学部は、昭和大学歯学部です。その差もほとんど無く、長きに渡って私立歯学部入試の難関校であることが分かります。

     

     

     

    2.昭和大学歯学部の入試の特徴

     

    2-1.学校推薦型選抜(推薦入試)

     

    昭和大学歯学部学校推薦型選抜(推薦入試)は公募、指定校、特別協定校の3つに分かれての募集になります。募集人員は公募15名、指定校10名、特別協定校2名になります。

     

    このうち、特別協定校は昭和大学全体として「非常に重要な高校」と昭和大学が考える高校で、首都圏の高校2校が特別協定校とされています。
    一方で指定校は、歯学部として重要な高校が選ばれています。

     

    受験資格は「現役生のみ」で、評定平均での制限はありませんが、専願制になります。

     

    試験科目は「英語、数学または国語、理科(基礎)2科目」で記述式での出題となります。
    基礎科目とは言え、理科を2科目課す私立歯学部入試は昭和大学歯学部学校推薦型選抜だけです。
    理科2科目と言うことで、受けにくさを感じる歯学部受験生も少なくないと思われます。

     

    学力試験の他に、小論文と面接も課されます。
    配点は英語50点、数学または国語50点、理科2科目100点、小論文30点、面接100点となっており、昭和大学歯学部学校推薦型選抜では面接が合否を分けます

     

    高校にも塾・予備校にも私立歯学部に詳しい先生は、なかなかいない中、私立歯学部入試に詳しい先生の面接指導を受けた受験生は間違いなく有利になります。

     

    入試結果は下記になります。

     

    昭和大学歯学部学校推薦型選抜 入試結果

     

      募集人員 志願者 合格者 志願倍率
    2023年度 27名 41名 22名 1.9倍
    2022年度 25名 40名 27名 1.5倍
     

     

     

     

    2-2.総合型選抜(AO入試)

     

    昭和大学歯学部総合型選抜(AO入試)は募集人員10名で、1次試験と2次試験に分かれて行われます。

     

    出願資格は、「現役、1浪」で評定平均での制限はありませんが、専願制になります。

     

    1次試験は、「活動報告書」「志望理由書」「資格・検定のコピー」「業者テストのコピー」「調査書」などでの書類審査になります。

     

    2次試験は、「模擬授業および理解度の確認」「面接」になります。
    昭和大学歯学部の教員が60分の模擬授業を行い、授業後に模擬授業に関するテストが60分で行われます。なお、授業後に質疑応答の時間も設けられます。

     

    入試結果は、下記のとおりです。

     

    昭和大学歯学部総合型選抜 入試結果

     

      募集人数 志願者 1次合格 2次合格 倍率
    2023年度 5名 41名 30名 6名 6.8倍
    2022年度 4名 30名 16名 4名 7.5倍
     

     

     

     

    2-3.卒業生推薦入試

     

    祖父母、もしくは両親のいずれかが昭和大学の卒業生である現役生が受けることの出来る入試で、専願制になります。

     

    募集人員は7名で、試験科目は「英語、数学または国語、理科(基礎)2科目」と小論文、面接になります。

     

    学校推薦型選抜と同じ日に、同じ問題を使用しての試験になります。

     

    配点は英語50点、数学または国語50点、理科2科目100点、小論文30点、面接100点となっており、昭和大学歯学部学校推薦型選抜では面接が合否を分けます

     

    高校にも塾・予備校にも私立歯学部に詳しい先生は、なかなかいない中、私立歯学部入試に詳しい先生の面接指導を受けた受験生は間違いなく有利になります。

     

    入試結果は以下のとおりです。

     

      募集人員 志願者 合格者 志願倍率
    2023年度 5名 14名 10名 1.4倍
    2022年度 5名 10名 6名 1.7倍
     

     

     

     

    2-4.一般選抜(一般入試)

     

    昭和大学歯学部の一般選抜(一般入試)は1期とⅡ期に分かれて行われます。
    募集人員は1期が42名、Ⅱ期が5名ですので昭和大学歯学部志望者は1期で決めたいところです。

     

    昭和大学歯学部一般選抜は、試験科目に大きな特徴があります。
    英語、理科1科目ともう1科目が、「数学または国語」で、数学ではなく国語(現代文)を選択することが出来ます。国語を選択すると「数学無し」の歯学部入試になります。
    昭和大学歯学部の数学の出題範囲は、「数学1A・ⅡB」で、歯学部入試では広い範囲からの出題になります。数学に苦手意識のある受験生は、国語選択も考えてみて下さい。

     

    「数学と国語、どちらにしたらいいか分からない」という受験生は、過去問をといて数学と国語のどちらの方が高い点が期待できるかを確認するといいでしょう。

     

    もう一つの特徴として、「英語と数学(国語)を一度に行う」ことが挙げられます。
    昭和大学歯学部一般選抜では、英語と数学(国語)を試験時間120分で解きます。
    「どちらの科目から始めるのか」、「最初の科目にどのくらいの時間を掛けるのか」こういったことを事前に考えておくことが欠かせません。

     

    なお、昭和大学歯学部一般選抜Ⅱ期は、医学部志望者の併願先となります。
    選抜Ⅱ期は募集人員が5名と少なくなる上に、1期にはほとんどいなかった医学部志望者の出願も多くなります。

     

    昭和大学歯学部は募集人員42名と多い、1期で決めてしまいたいところです。

     

    小論文は出題されませんが、面接には英語や数学(国語)と同じく100点の配点が付いています。昭和大学歯学部で合格を勝ち取るためには、きっちりとした「昭和大学歯学部の面接対策」が欠かせません。

     

    昭和大学歯学部の面接では、他の歯学部では聞かれない質問が必ず聞かれます。
    「昭和大学歯学部の面接対策」を行って下さい。

     

    一般選抜の試験結果は下記のとおりです。

     

      募集人員 志願者 合格者 倍率
    23年1期 44名 410名 96名 4.3倍
      Ⅱ期 10名 119名 13名 9.2倍
    22年1期 44名 383名 102名 3.8倍
      Ⅱ期 10名 110名 16名 6.9倍
     
     
     
     

    2-5.編入学試験

     

    昭和大学歯学部では、編入学試験を行っています。編入学試験に合格すると2年生に編入学することになります。

     

    試験内容は学校推薦型選抜と同じで、同じ試験日に同じ問題で試験は行われます。
    文系再受験生は、数学ではなく国語を選択する受験生が多くなります。国語は現代文だけになりますので、文系出身者はそれほど多くの勉強を必要としないでしょう。
    その分、理科の勉強に時間を使うことが出来ます。

     

    編入学試験の配点も学校推薦型選抜と同じで英語50点、数学(国語)50点、理科2科目で100点、面接100点となります。面接は英語や数学の2倍の配点となりますので、面接対策は非常に重要になります。
    再受験生への質問ですから、普通の受験生と同じような答えでは十分とは言えません。

     

    「なぜ、今になって歯科医師を目指すのか?」という質問への答えが合否を分けます。
    特に、ここはしっかりと仕上げて下さい。

     

    編入学試験の試験結果は以下のとおりです。

     

      募集人員 志願者 合格者 倍率
    2023年 若干名 6名 2名 3.0倍
    2022年 若干名 6名 0名  
     
     
     
     

    2-6.共通テスト利用入試

     

    共通テスト利用入試で合否判定に使われるのは英語(リスニングを含む)、数学または国語、理科1科目となります。配点は英語100点、数学(国語)100点、理科100点で、200点が100点に圧縮換算されます。

     

    このほかに面接が配点100点で行われます。

     

    面接を除く300点満点での合格最低点は2023年度が205点、2022年度が229点となっています。

     

    共通テスト利用入試の結果は下記のとおりです。

     

      募集人員 志願者 合格者 倍率
    2023年 5名 154名 31名 5.0倍
    2022年 5名 168名 36名 4.7倍
     

     

     

     

    3.昭和大学歯学部の偏差値や難易度を解説

     

    3-1. 2024年度入試の偏差値

     

    私立歯学部人気校の偏差値は以下のとおりです。

     
      河合塾 駿台
    昭和大学 52.5 50
    東京歯科大学 55.0 50
    日本歯科大学 47.5 47
    日本大学 47.5 47
    大阪歯科大学 50.0 49
     

     

    河合塾は「私立歯学部で一番難しいのは東京歯科大学で、それに続くのが昭和大学歯学部」としています。
    一方、駿台予備学校は「私立歯学部で最も難しいのは、東京歯科大学と昭和大学歯学部」としています。

     

    河合塾や駿台予備学校の「私立歯学部偏差値ランキング」を見ると、昭和大学歯学部は、17ある私立歯学部で1、2を争う偏差値上位の難関校であることは間違いありません。

     

     

     

    4.昭和大学歯学部受験のポイントを解説

     

    4-1. 学力試験対策

     

    昭和大学歯学部の学校推薦型選抜、卒業生推薦入試、編入学試験では、理科2科目が課されます。基礎科目とは言え、理科が科目必要な私立歯学部は昭和大学歯学部だけですので、歯学部受験生への負担は大きいと言えるでしょう。

     

    昭和大学歯学部を目指すのであれば1、2年生のうちから理科の基礎科目をきちんと勉強しておく必要があります。私立歯学部は「理科1科目」と決めつけずに理科の基礎科目を大切にして下さい。

     

    昭和大学歯学部入試では、「数学または国語」となります。数学に苦手意識があるのであれば、国語選択を考えてください。国語は現代文のみになりますので、数学より高い点が取れる受験生も少なくないと思います。

     

    昭和大学歯学部入試は英語と数学(国語)を一つの時間の中で解きます。「どちらの科目から解き始めるのか」、「科目ごとの時間配分をどうするのか」、「見直しの時間はどうするのか」などを事前に決めておくことは欠かせません。

     

    昭和大学歯学部では、学校推薦型選抜も含めて過去問を公表しています。過去問を使って、英語と数学(国語)の時間配分を考えてください。

     

     

     

    4-2. 面接対策

     

    昭和大学歯学部では面接が合否を左右すると言ってもいいくらい、面接の配点が大きくなっています。

     

    歯学部の面接では必ずと言っていいほど聞かれる、「歯学部志望理由」や「大学志望理由」は、もちろんきっちり仕上げて下さい。
    ただ、昭和大学歯学部の面接では、この他に必ず聞かれる質問があります。最重要の質問ですので、「歯学部の面接対策」ではなく、「昭和大学歯学部の面接対策」を心掛けて下さい。

     

    昭和大学歯学部の面接は面接官2名による個人面接となります。面接は10分間行われ、雰囲気は穏やかな雰囲気の中で行われます。

     

    ただし、多くの受験生の面接を同時に行うため質問が聞きにくかったり、自分の答えが面接官に聞こえにくかったりしますので、注意して下さい。

     

    万一、面接官の質問が聞き取りにくかった場合、遠慮せずに「聞き取りにくかったので、もう一度お願いします」と言って下さい。
    いい加減に答えてしまうと質問の答えにならずに、「この受験生、何を言っているんだろう?」と面接官に思われてしまいますので、聞き返すようにして下さい。

     

     

     

    4-3. 小論文対策

     

    昭和大学歯学部一般選抜1期・Ⅱ期、共通テスト利用入試では小論文はありません。しかし学校推薦型選抜、卒業生推薦入試、編入学試験では小論文が出題され30点の配点が付きます。

     

    これらの試験を受けるのであれば、小論文対策もやらないわけには行きません。

     

    昭和大学歯学部の小論文は試験時間60分、短い課題文が付いて600字を書きます。まずは、60分で600字の小論文を書ききる力が必要です。知識を増やすことではなく、過去問を使って課題文から600字を書く練習を重ねて下さい。

     

     

     

     

    5.昭和大学歯学部の重要なニュース

     

    昭和大学は、長きに渡って転部制度を持っていました。1年生から2年生に上がる時に歯学部から医学部への転部も実施されていました。
    歯学部の学生の中には、本来は医学部志望であった学生も少なくありません。こういった学生は歯学部から医学部への転部を狙って1年次の勉強を頑張っていました。

     

    また、「医学部への転部制度がある」と言う理由で医学部志望者の併願先としても人気がありました。

     

    しかし、この転部制度は2021年4月入学者から廃止されました。

     

    また、医学部を受験すると歯学部の合否も判定する「医学部入学試験利用選抜」も2024年度入試から廃止されました。

     

     

     

     

    6.昭和大学歯学部のまとめ

     

    昭和大学は歯学部の他に医学部、薬学部、保健医療学部を持つ「医系総合大学」です。1年次の寮生活を通じて他学部の学生との深い交流も出来ますし、学部横断の教育を受けることも出来ます。

     

    また、歯科医師国家試験合格率を高めるために卒業認定を厳しくするようなこともありません。それでも歯科医師国家試験では高い合格率を誇っています。

     

    さらに、人気校ほど高い傾向にある6年間の学費も昭和大学歯学部は、17ある私立歯学部では平均的な学費となっています。

     

    こういったことから、歯学部受験生の人気の高い大学です。

     

    昭和大学歯学部は多様な入試を行っていますので、受験生のみなさんは自分にあった試験を選んで準備を進めてください。