医学部・歯学部News

合格請負人田尻が大学ごとの入試対策から最新の私立医学部・歯学部の動向までを日々配信中

この記事の目次

    大きく試験日程が変わった大学も

     

    私立医学部一般選抜(一般入試)の試験日が出揃いました。
    昨年の私立医学部入試日程と比べると大きく試験日程が変わった大学がいくつかあります。

     

    今年1月の一般選抜では1月24日(火)に1次試験を行った愛知医科大学医学部が、来年は1月16日(火)に繰り上がりました。
    これによって、2024年度私立医学部一般選抜は共通テスト2日目の翌々日、愛知医科大学の1次試験から始まることになりました。

     
    1月16日(火) 愛知医科大学
    1月17日(水) 岩手医科大学、国際医療福祉大学
    1月18日(木)
    1月19日(金) 杏林大学
     

    今年1月の私立医学部一般選抜では、愛知医科大学は聖マリアンナ医科大学と同じ1月24日に1次試験を行い、この2校は1次試験日が重なっていましたが、2024年度は愛知医科大学単独での1次試験となりました。
    なお、聖マリアンナ医科大学の1次試験日は大きく繰り下がって2月8日(木)となり、他の医学部の1次試験との重複はなくなりました。

     

     

    「どこから受けるか」は非常に重要

     

    愛知医科大学1次試験の翌日、1月17日(水)には岩手医科大学医学部と国際医療福祉大学医学部の1次試験があります。
    2024年1月16日、17日の2日間で愛知医科大学、岩手医科大学、国際医療福祉大学の3校の医学部1次試験が行われます。

     

    私立医学部入試では「どこから受けるか」が、非常に重要になります。
    1月18日(木)は私立医学部の試験はありませんので16日、17日に私立医学部の1次試験を受けないと、次は1月19日(金)の杏林大学医学部の1次試験になります。

     

    杏林大学医学部の1次試験から医学部入試をスタートさせてもいいのですが、医学部受験では、「メンタル」が非常に重要な要素となります。
    私立医学部入試の早い段階で1次試験合格を勝ち取ることが出来れば、「よしっ!」となり、気持ちが前向きになります。

     

    ところが、なかなか1次試験で合格出来ないと受験生の心の中に不安が広がっていきます。
    医学部受験で、「よし、行ける」という気持ちで試験に臨むのと、「ダメかもしれない」という気持ちで試験に臨むのとでは、結果も違ってきます。

     

    早めに1次試験合格を勝ち取り、厳しい私立医学部受験に前向きな気持ちで立ち向かうことを考えると、愛知医科大学または岩手医科大学医学部のどちらかを受けておきたいところです。

     

    国際医療福祉大学医学部、杏林大学医学部は、「1次試験合格のチャンスの大きい医学部」とは言えません。
    学力に自信のある受験生ならいいのですが、本音では「医学部ならどこでもいい」と考えている受験生は、愛知医科大学か岩手医科大学の医学部1次試験を受けることをオススメします。
    もちろん、この2校の両方を受けるのもいいと思います。

     

     

    1月21日(日)は第一のポイントとなる日!

     

    1月21日(日)は、獨協医科大学医学部と川崎医科大学医学部の1次試験があります。
    この日は、2024年度私立医学部入試で非常に重要な日になります。
    河合塾も駿台予備学校もベネッセも、私立医学部でボーダーライン偏差値が最も低い大学を川崎医科大学としています。

     
    1月20日(土) 東北医科薬科大学
    1月21日(日) 獨協医科大学、川崎医科大学
    1月22日(月) 獨協医科大学、自治医科大学
    1月23日(火) 自治医科大学
     

    私立医学部で「易しい」医学部は一つもありませんが、その中では川崎医科大学は、「最も易しい医学部」と考えられます。

     

    同じ日にある獨協医科大学も河合塾、駿台予備学校の偏差値ランキングでは下位にあります。

     
    大学・医学部 駿台 河合塾
    岩手医科大学 54 62.5
    獨協医科大学 54 62.5
    埼玉医科大学 54 62.5
    川崎医科大学 52 60.0
     

    2024年1月21日(日)は、2024年度私立医学部入試の大きなポイントとなる日です。
    この日に獨協医科大学を受けるのか、川崎医科大学を受けるのか、それともどちらも受けないのか、3つの選択肢があります。
    獨協医科大学は翌日、22日にも1次試験があります。
    獨協医科大学の1次試験を2日続けて受けるのもいいでしょう。
    21日は川崎医科大学を受け、22日は獨協医科大学を受けるという手もあります。

     

    受験生は大いに悩むと思います。

     

    「医学部ならどこでもいい」と考えている受験生なら、1月21日は獨協医科大学か川崎医科大学のどちらかを受けてもらいたいと思います。
    では、「獨協医科なのか川崎医科なのか?」ですが、私は川崎医科大学をオススメします。

     

    川崎医科大学を受験するためには、倉敷市まで行かなければなりません。
    東日本の受験生には、非常に受けにくい大学です。
    東日本の受験生は獨協医科大学を選ぶでしょう。
    移動の負担を考えれば、西日本の受験生も川崎医科大学は受けにくい大学です。

     

    「志願者が少ない」、と考えられる上にボーダーライン偏差値も一段低い川崎医科大学は、やはり「チャンスの大きい医学部」と考えられます。
    川崎医科大学の1次試験が終わるのは17時ですから、そこから東京に移動して翌日、獨協医科大学を受験するのは大変かもしれませんが、1年に一度の私立医学部一般選抜ですから贅沢も言っていられません。

     

    ところで、獨協医科大学の問題は解きにくさを感じると思います。
    特に数学は過去問をやると「こんな問題、無理」と思う受験生は多いでしょう。
    しかし、そう思っているのはみんな同じです。
    自分だけが「無理」と思っているわけではありません。

     

    今年1月の獨協医科大学一般選抜を受けたメルオンの生徒は、「数学は全然できなかった」と言っていましたが、ふたを開ければ正規合格でした。
    怖気づく必要はありません。

     

     

    第2のポイント日は2月1日&2日

     

    さて、2024年度私立医学部で2番目のポイントは2月1日、2日です。

     
    2月1日 東京女子医科大学、日本大学、日本医科大学、久留米大学
    2月2日 埼玉医科大学、昭和大学、東海大学、福岡大学
    2月3日 順天堂大学、東海大学
     

    2月1日(木)と2日(金)で、8校の1次試験があります。
    受験生は難しい選択を迫られます。

     

    2月1日の日本医科大学、2日の昭和大学医学部は私立医学部受験での第一志望となることも多い大学です。
    「日医、昭和は受けたい」という受験生も少なくないでしょう。
    また、九州の受験生は、「久留米と福大は外せない」となるでしょう。

     

    2日で8校の私立医学部1次試験があったとしても、迷わない受験生もいると思います。
    しかし、どの医学部を受けるか迷う受験生は多いと思います。

     

    女子の受験生には、東京女子医科大学をオススメします。
    東京女子医科大学医学部は、学費を大きく上げてから志願者数が低迷しています。
    もともと、女子受験生しか受けられないことから志願者数は少なくなっていましたが、学費の値上げ後はさらに志願者数が減少しました。
    今年の一般選抜の志願者も917名と千人を下回っています。
    同じ日に1次試験がある日本大学医学部も日本医科大学も今年の志願者は1800名を上回っています。
    志願者が少なければ、それだけチャンスも大きくなります。

     

    東京女子医科大学の試験時間は各科目60分と、短い時間で解かなければなりません。
    全問を解く必要はありませんが、過去問で60分という時間の使い方に慣れておくといいでしょう。

     

    東海大学医学部は2月2日、3日と2回の1次試験受験機会があります。
    どちらか1日でもいいのですが、東海大学医学部を受けるのであれば2日連続での受験をオススメします。
    今年、34歳のメルオン生が東海大学医学部に進学しました。
    2日連続で東海大学医学部を受けましたが、1日目で東海大学医学部の試験の感覚をつかみ、2日目は落ち着いて受験することが出来ました。
    2日続けての受験の大きなメリットです。

     

    東海大学医学部の一般選抜では、数学Ⅲは出題されません。
    また、理科は1科目です。
    数学Ⅲや理科が間に合わない現役生が受けやすい医学部入試、と言えます。
    東海大学医学部は、今年2月の一般選抜から数学Ⅲを出題範囲から外しましたが、志願者は5割以上増えました。
    とは言え、数学Ⅲの出題は無く、理科1科目ですから狙ってもいいと思います。

     

    ただ、東海大学医学部は面接を非常に重視しています。
    東海大学医学部を受けるのであれば、他の医学部以上にきっちりとした面接対策を行ってください。
    なお、同じ日に1次試験を行う、昭和大学医学部の面接には70点の配点が付いています。

     

    日本大学医学部の1次試験は、日本大学の他学部と共通問題になります。
    私立医学部入試としては、「易しい」問題となります。
    その分、2次試験で英語と数学が課されます。
    日本大学医学部の学力試験対策は1次試験だけでなく2次試験の英語と数学も忘れないようにして下さい。

     

    昭和大学医学部一般選抜では、数学に替えて国語での受験が可能です。
    国語は現代文のみですが、簡単ではありません。
    昭和大学医学部の過去問を解いて、数学と英語のどちらが高い点数を取れるかを確認してから数学と国語のどちらにするかを決めて下さい。
    もちろん、国語でも受かります。
    30代の女性が国語で合格しています。

     

    久留米大学医学部、福岡大学医学部、埼玉医科大学の1次試験の配点は3校とも、各科目100点、4科目合計400点で同じです。
    一方、日本医科大学は英語300点、数学300点、理科2科目で400点、合計1000点と英語・数学重視の配点になっています。
    こういった配点にも注意して受験校を決めて下さい。

     

    私立医学部受験では、受験校選定が合否に直結します。
    2024年度一般選抜のポイントとなる日について解説しましたが、これらの日以外でも「入試難易度、配点、自分の学力、移動」などを勘案して受験校を決めて下さい。

     

    何かご相談事があれば、いつでもメルオンにご連絡ください。

     

    2024年(令和6年)1月医学部入試カレンダー

     
    日にち 1次試験 2次試験
    1日(月)元日    
    2日(火)    
    3日(水)    
    4日(木)    
    5日(金)    
    6日(土)    
    7日(日)    
    8日(月)成人の日    
    9日(火)    
    10日(水)    
    11日(木)    
    12日(金)    
    13日(土) 共通テスト  
    14日(日) 共通テスト  
    15日(月)    
    16日(火) 愛知医科大学  
    17日(水) 岩手医科大学、国際医療福祉大学  
    18日(木)    
    19日(金) 杏林大学  
    20日(土) 東北医科薬科大学  
    21日(日) 獨協医科大学、川崎医科大学  
    22日(月) 獨協医科大学、自治医科大学  
    23日(火) 自治医科大学  
    24日(水) 兵庫医科大学 国際医療福祉大学
    25日(木) 帝京大学 国際医療福祉大学
    26日(金) 帝京大学、北里大学 岩手医科大学、国際医療福祉大学
    27日(土) 帝京大学、関西医科大学 岩手医科大学、国際医療福祉大学
    28日(日) 近畿大学 国際医療福祉大学
    29日(月)   国際医療福祉大学、川崎医科大学
    30日(火) 金沢医科大学 獨協医科大学、川崎医科大学
    31日(水) 金沢医科大学 獨協医科大学、自治医科大学、愛知医科大学