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- 2025.04.11
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医学部、歯学部に合格した受験生の親はこうしている
この記事の目次
1.はじめに
医学部や歯学部への進学は、多くの受験生にとって大きな挑戦です。学力はもちろんのこと、強い精神力や継続的な努力が求められる道のりですが、それを支える「親の存在」も非常に大きな影響を及ぼします。合格をつかんだ受験生の背後には、適切な距離感と深い理解をもった親のサポートがあるものです。
ここでは、医学部・歯学部合格を勝ち取った受験生の親が実際に行っていたサポートの具体例を紹介します。
2. 合格を引き寄せる親の共通点とは?
医学部や歯学部に合格した受験生の親には、いくつかの共通点があります。
● 子どもの個性を尊重している
成績が伸び悩んだときも、叱るより「何が原因か一緒に考えよう」というスタンスを取り、子どもの気持ちに寄り添います。
模試の成績などが悪いとつい、「何やってんの!!」、「こんなんじゃ医学部合格(歯学部合格)なんて到底無理」、「他の学部に変えたら」などと言いたくなるかもしれません。そこはグッと抑えて、受験生を後押しすることを考えて下さい。
受験生は一人ひとり異なります。順調に成績を伸ばす人もいれば、成績の動きがなかなか見えない人もいます。子供の個性を見極めてください。
● 情報の取捨選択がうまい
ネットや口コミ、他の家庭のやり方など、あふれる情報の中から「我が家にとって必要なもの」を見極める目を持っています。
「みんながやっているから」ではなく、あくまで自分の子どもに合っているかどうかを基準にして、無駄な混乱や焦りを避けています。
合格体験談で何人かが、「この問題集が良かった」とあると、それをやらせたくなるかもしれません。しかし、それは「その人たちには向いていた」というだけです。学習の進み具合などによって、相応しい問題集は変わります。自分の子供に合っているか、を考えて下さい。
分からなければ、高校や塾・予備校の先生に相談するといいでしょう。
● 子どもとのコミュニケーション能力が高い
日常会話の中で自然に受験や将来についての話ができる家庭が多く、無理に引き出すような対話ではなく、信頼に基づいた質の高い会話をしています。
子どもも親に本音を話せることで、精神的な安心感を持ちながら受験に取り組めます。
日頃の何気ない親と子供のコミュニケーションこそが大切で、合格者の親はここが上手いと感じます。
● 子どもを“大人の基準”で評価しない
「高校生ならこれくらいできて当たり前」「なんでこんなミスをするの?」という大人目線の評価をせず、子どもの成長段階を理解したうえでサポートしています。
結果だけではなく、努力の過程や挑戦の姿勢を認めているのも特徴です。
● 無理な干渉をしない
勉強方法やスケジュールについてはある程度子どもに任せ、自主性を大事にしています。そのうえで必要なときには的確にアドバイスをします。
ここで注意してほしいのは「自分の受験経験を振りかざさない」です。自分が大学受験をした時代と現在では、事情が全く違います。「自分はこうやって受験を成功させた」と言いたくなるかもしれません。脳科学が進み勉強理論も進化しています。また、現在では動画教材やオンライン個別指導もあります。参考書、問題集も様変わりしています。
3. 日常生活の中での親の関わり方
日々の生活の中で、親はどのように受験生を支えているのでしょうか。
● 勉強に集中できる環境を整える
静かな勉強部屋の確保や、生活音を減らすといった「空間のサポート」は基本です。
また勉強部屋の中に、「勉強の妨げになるもの」を置かないように配慮することも大切なことです。例えば、「漫画は勉強部屋に置かない」、「スマホは部屋に持ち込まない」などですが、ここは強引にやってしまうとかえってやる気を削いでしまいます。
上手に話して、けして無理をしないようにしてください。ここでも日頃のコミュニケーションが大切になってきます。
● 生活リズムの安定を支える
「最低6時間の睡眠をとらないと記憶は定着しない」と言われています。寝るのが遅い夜型になってしまう受験生も多いのですが、きちんと睡眠時間が取れるように注意してください。最近は「YouTubeを見ていたら寝るのが遅くなってしまった」という話もよく聞きます。オンラインゲームも受験生には怖い存在です。生活リズムを壊すことの無いように、見守ってください。
栄養バランスのとれた食事を用意し、体調を崩さないようにサポートすることも親の大切な役割で、なるべく朝食は摂らせたいものです。受験直前期は特に、免疫力を下げない工夫が求められます。
合格者の親は、特に生活リズムを安定させています。
● 日々の声かけがモチベーションに
「頑張ってるね」「応援してるよ」といった声かけは、受験生の大きな支えになります。
ただ、わざとらしい声掛けは考え物です。ごく自然な感じで話してみてください。
「親が味方」という感覚は受験生にとって大きな力になります。
●けして他人と比較しない
成績優秀な幼馴染や医学部・歯学部に合格した親戚の子供などとの比較はやめましょう。子供のやる気を削ぐことに繋がります。「他人は他人」で比較の対象としないようにして下さい。
4. メンタルサポートが勝負を分ける
受験は学力勝負と思われがちですが、実際はメンタルの強さも合否を分ける要素です。
● ストレスを受け止める「心のクッション」
模試の結果が悪かった日や、勉強が手につかない日も、親が動揺せずに受け止めてくれることで、子どもは安心して再スタートを切れます。
「こんなこともあるよ」と支えてやってください。
● 志望理由を一緒に確認し直す
「なぜ医師になりたいのか」「どうして歯科医を目指すのか」といった問いを一緒に考えることで、子どもの志望意識を再確認させる親もいます。これが勉強への再モチベーションにつながることもあります。
5. 経済的・情報的サポートの重要性
医学部や歯学部の受験は費用も時間もかかります。親のバックアップがあってこそ受けられる挑戦でもあります。
● 予備校・塾の選択
必要に応じて塾や予備校に通わせることや、自分の子供にとって適切な指導環境を選ぶ力も親の重要な役割です。塾や予備校は親が探すのもいいのですが、受験生本人が納得することが重要です。
例えば「合格実績」を見て決める場合、「合格者数」が多ければいいというものではありません。「100人が受けて20人が合格した予備校」と「10人が受けて5人が合格した予備校」では「20人合格」と「5人合格」の比較になります。合格実績は中身まで考えるといいでしょう。そこまで考えられる親は、子供を合格に近づけることが出来ます。
中には「あれもやらせましょう。」、「これも取らせましょう」と、ドンドン授業の追加を言ってくる塾・予備校もあります。親が冷静に子供に必要かを考えて下さい。
医学部受験、歯学部受験の合格者の親は、予備校との関係も上手く築いています。
● オープンキャンパスや入試説明会への同行
特に私立医学部・歯学部の学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(AO入試)は、「1校しか受けられない」のが原則です。具体的な受験校をどうするかは受験結果に直結します。入試説明会やオープンキャンパスに親子で参加して、一緒に考えることで適切な受験校を選ぶことが出来ます。
また、親も塾・予備校の意見を聞くといいでしょう。
合格者の親によく見られるパターンです。
● 情報の精査と冷静な判断力
ネット上には膨大な受験情報や体験談が溢れていますが、合格した受験生の親は、そうした情報に振り回されることなく、「我が子にとって必要かどうか」という視点で取捨選択しています。
また、ママ友から聞いた成功例や失敗談も、参考にはするものの鵜呑みにはせず、自分たちの家庭に合ったやり方を見極めています。
このように、情報に踊らされず、冷静に判断する力が合格までの確かな道を作っているのです。
6. 子どもの自主性を伸ばす関わり方
受験勉強は「受験生本人がやる」ものです。医学部や歯学部に合格する生徒に共通しているのは「自分の意思で学ぶ力」です。
● 勉強内容に口出ししすぎない
スケジュールや勉強法について、親が管理しすぎると子どもが受け身になってしまいます。合格した生徒の親は「自分で考えさせる」ことを重視していました。逆に全てを親が決めるような受験生は、なかなか上手く行きません。過去に何人も見て来ました。
とは言え、親として「このやり方でいいのか?」と心配になることもあると思います。そんな時は、高校や塾・予備校に親子面談を依頼してください。親がいきなり、「こんなやり方じゃダメ」と言っても、子供は反発する可能性が高くなります。高校や塾・予備校の人間からのアドバイスなら受験生本人も素直に聞けるものです。
成績が上手く上がっていないようであれば、受験生本人も面談に応じると思います。
7. まとめ:親ができる最大の応援とは
医学部・歯学部受験は、子どもにとって人生の一大イベントですが、親の支えなしには乗り越えられないものです。合格した受験生の親が共通して行っていたのは、「信頼して見守る」「必要なときにだけ手を差し伸べる」「さりげなく応援する」「親の役割を理解している」というスタンスでした。
子どもが不安なとき、焦っているとき、やる気を失っているとき、親の一言が道を開くこともあれば、逆に壁となることもあります。だからこそ、ただ成績を見るのではなく、「人として成長を支える」という長期的な視点が、合格への近道となるのです。