ベネッセと河合塾の私立歯学部偏差値ランキングを比べてみる

1.ベネッセが「歯学部偏差値ランキング」を発表

ベネッセが進研模試受験者の歯学部合否データを基にした、2025年度一般選抜用の「歯学部偏差値ランキング」を発表しました。
すでに河合塾は全統模試の合否データを基にした「歯学部偏差値ランキング」を発表していますので、ベネッセ進研模試と河合塾全統模試、2つの「歯学部偏差値ランキング」を比べてみましょう。

なお、ベネッセの「歯学部偏差値ランキング」は「合格可能性60％の偏差値」を示していますが、河合塾は「合格可能性50％の偏差値」を示しています。
また、ベネッセの「歯学部偏差値ランキング」の偏差値は「1刻み」ですが河合塾の「歯学部偏差値ランキング」の偏差値は「2.5刻み」です。
ベネッセでは偏差値60の一つ下のランクは偏差値59ですが、河合塾は偏差値60の一つ下のランクは偏差値57.5となります。

2.ベネッセと河合塾の「歯学部偏差値ランキング」を比べる

2つの「歯学部偏差値ランキング」を見ると、まず「ベネッセに比べ河合塾の偏差値は低い」と感じると思います。
ベネッセも河合塾も「私立歯学部で一番難しいのは東京歯科大学と昭和大学歯学部」という点は一致しています。
ただし、東京歯科大学と昭和大学歯学部の偏差値をベネッセは「65」としているのに対し、河合塾は「52.5」としていて、ベネッセと河合塾の「歯学部の偏差値」には大きな差があります。
これは、ベネッセが「合格可能性60％の偏差値」、河合塾は「合格可能性50％の偏差値」を示していることもありますが、最も大きな理由は「進研模試と全統模試の受験者層の違い」です。

ベネッセ進研模試の受験者のほとんどは現役生ですが、河合塾全統模試には浪人生も多く受けてきます。

現役生でも進学校の生徒は進研模試ではなく全統模試または駿台模試を受ける傾向にあります。
「全統模試の方が進研模試に比べ、学力上位者が多い」、ということです。

「偏差値」は、「その模試を受けた集団の中での自分の位置」ですから、学力上位層が多い集団の中では「偏差値」は低くなります。
例えば、東大志望者だけが受ける東大模試では、いつもに比べ偏差値は低くなります。

歯学部受験に向けて頑張っている受験生の皆さんは、自分が受けた模試の自分の偏差値を頭において「歯学部の偏差値ランキング」を見るようにして下さい。
全統模試の自分の偏差値を頭に置いて、ベネッセの「歯学部の偏差値ランキング」を見ると、おかしなことになってしまいます。

3.日本歯科大学と大阪歯科大学どちらが難しい？

自分の偏差値と志望校の偏差値を比べたり、「自分の偏差値で歯学部を受験すると、どうなりそうか」を見るだけでなく、2つの「歯学部の偏差値ランキング」で、「あの大学とこの大学、どちらの大学の方が難しいのか」も見てください。
ただし、ベネッセと河合塾では見解が異なる部分もあります。多くの部分では一致していますが、河合塾とベネッセとで考えが異なる部分もあります。
例えば、「日本歯科大学生命歯学部と大阪歯科大学のどちらの方が難しいのか」について、ベネッセは日本歯科大学、河合塾は大阪歯科大学としているように、見解が異なる部分もあります。
愛知学院大学歯学部と明海大学歯学部の一般選抜は、どちらが難しいのか？についてもベネッセは「愛知学院大学歯学部の方が難しい」としていますが河合塾は「明海大学歯学部の方が難しい」としています。

歯学部受験を考えている受験生としては「どちらが正しいのか」と思うかもしれません。

これは、一概に「こちらの歯学部偏差値ランキングが正しい」ということは言えません。
まもなく駿台予備学校からも「歯学部の偏差値ランキング」が発表されますので、ベネッセ、河合塾、駿台予備学校それぞれの「歯学部偏差値ランキング」を比べて判断するといいでしょう。

駿台予備学校から「歯学部の偏差値ランキング」が発表になりましたら、このサイトでお伝えいたします。

4.2025年度入試用　私立歯学部の偏差値ランキング