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医学部受験・歯学部受験 大学別入試情報

メルオンだから伝えられる、メルオンにしか書けない医学部合格・歯学部合格に必要な受験情報を随時アップしていきます。

本コンテンツ(医学部受験・歯学部受験 大学別入試情報)でお伝えしたいこと

 

インターネット上には大学の公式サイト以外にも、様々な受験情報が記載されています。
まとめサイトや塾・予備校のホームページ、YouTuberによる受験動画等、受験に際して必要な情報を集めるには便利な時代になりました。

 

今回、本コンテンツ「メルリックスオンライン(メルオン)の医学部受験・歯学部受験特集ページ」を作成するにあたって、受験生や親御様が簡単に収集できる情報は原則として記載しないことにいたしました。
当年の受験日程であれば、大学・学部公式サイトを確認したほうが良いでしょうし、合格速報や科目解答方法であれば受験動画を確認したほうが便利でしょう。

 

とはいえ、医学部・歯学部の受験は特殊です。
一般的な受験とは何もかもが違うといって良いと思います。

 

我々メルオンが本コンテンツを一読してほしいと願っている方は、医学部・歯学部専門予備校に通塾しておらず、特殊な情報を入手しにくい環境にある方であり、例えば地方にお住まいの方であったり、現役生であったり、若かりし頃に同様に受験をなさった親御様です。

 

医学部受験・歯学部受験にあたって必要なこととは何か、科目毎に、大学ごとに、入試方式ごとに、どのような勉強をすべきなのかを、極力丁寧に、かつ開示できる内容については極力公開して解説してきたいと思います。
一つ一つがボリュームのある読み応えのある内容にしていきたいと考えておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。

医学部受験 入試情報

  医学部医学科(以下、医学部とします)は、受験生から非常に大きな人気を集めています。 大学入試全体の中でも圧倒的な最難関学部になっています。 では、なぜ医学部は、これほどの人気を集めているのでしょうか? それは「医学部を卒業しないと、医師になるための医師国家試験を受けられない」からです。 根底には「医師になって世の中に貢献したい」という将来像があるのですが、医師になるためには、医師国家試験に合格して医師免許を取得する必要があります。   例えば、弁護士になるための司法試験の受験資格は、法科大学院を修了することが王道ともいえますが、受験資格を得るための予備試験に合格することでも司法試験を受けられます。 最近は、時間と費用が節約できることもあり、予備試験の人気が高まっています。   しかし、医師国家試験にも予備試験はあるものの、医学部を卒業しないと受験できないと考えるのが現実的です。 医学部以外の学部を卒業した後、医学部の大学院に進むことは出来ます。 しかし大学院を修了しても、医学博士になっても医学部を卒業していないと医師国家試験は受けられませんので、医師としての活動は出来ません。 「医師になるためには医学部を卒業しなければならない」から医学部を目指すわけです。   2.医学部受験の現状   ①全国の医学部   現在、医学部は全国81大学に設置されています。 この他に、大学ではありませんが、防衛医科大学校にも医学部があり、現在は全国に82の医学部があります。 国立大学医学部は43校,公立大学医学部は8校,私立大学医学部は31校、そして防衛医科大学校で合計82の医学部となります。 患者のたらい回しをきっかけに医師不足が叫ばれるようになり、2016年4月に東北医科薬科大学医学部、2017年4月に国際医療福祉大学医学部が誕生しました。 ただ、今後新しい医学部の誕生は無いだろうと考えられています。 先ほど述べた、医師不足が問題となった時期に医学部定員は臨時的に増員され、約1700名も医学部の入学定員は多くなりました。 今後増員分は削減される方向です。 これまで、臨時定員増の恩恵を受けた受験生もいましたが、その恩恵も無くなると考えてください。   ②医学部の難易度   「大学入試全体の中で医学部は最難関学部」と述べましたが、偏差値ランキングで確認してみましょう。 河合塾が2023年5月に発表した偏差値ランキングによれば、国公立大学前期理系の最難関は東京大学理科Ⅲ類と京都大学医学部医学科の偏差値72.5です。 続くのが東京医科歯科大学医学部と大阪大学医学部の偏差値70.0となっています。 さらに続くのが偏差値67.5の東京大学理科Ⅰ類と理科Ⅱ類、京都大学工学部情報学科で、ここでようやく医学部以外の学部が出てきます。   ただ、東大理Ⅰなどの偏差値67.5には、東北大学医学部、横浜市立大学医学部など6校の医学部も入っています。 国公立大学医学部で最も低い偏差値ランクは旭川医科大学医学部、琉球大学医学部などの偏差値62.5です。 このランクには、京都大学工学部工業化学科などが入っています。 旧帝国大学でも偏差値60を下回る学部学科が少なくない中で、国公立大学医学部の難関ぶりが分かります。   私立大学の難易度を見ると、私立大学理系の最難関学部は、慶應義塾大学医学部と順天堂大学医学部B方式の偏差値72.5です。 次いで東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部A方式、日本医科大学の偏差値70.0です。 この偏差値70.0には国際基督教大学教養学部アーツサイエンス学科A方式が入っていますが、ここは学力試験としては実質英語1科目の入試ですので、4科目入試の医学部とは同列に扱うことは出来ないでしょう。   偏差値70.0に続く偏差値67.5には医学部11大学の他に、早稲田大学先進理工学部生命医科学科が入っています。 数ある早慶の学科で唯一このランクに入っています。 早稲田大学先進理工学部の他の学科や早稲田大学の他学部、慶應義塾大学の理工学部などは、さらに1つ下の偏差値65.0になっています。   私立医学部で偏差値ランクが最も低いのは川崎医科大学と岩手医科大学医学部の地域枠Cでボーダーライン偏差値60.0とされています。 岩手医科大学医学部の一般枠は偏差値62.5とされています。   国公立大学医学部も私立大学医学部も「滑り止め」といえるような大学がありません。 ここに医学部の難易度の高さが象徴されています。

国公立医学部受験 入試情報

  国公立大学医学部受験は、総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)、一般選抜前期、一般選抜後期という順番で試験が行われます。 このうち、最も募集人員が多いのは一般選抜前期で、医学部入学定員の6割以上が一般選抜前期に振り向けられています。 なお、一般選抜は共通テストと各大学での2次試験で合否が判定されます。   一般選抜には後期もありますが、後期を行わない医学部が増えてきています。 国公立医学部50校中、後期を行うのは約3割、16校だけです。 その結果、国公立医学部一般選抜は、「前期一発勝負」という様相が強まっています。   また、国公立医学部一般選抜では「足切り」と言われる2段階選抜があります。 共通テストの得点で各大学が2次試験受験者を絞りこむ場合がありますので、志望校で2段階選抜を行うのか、行うとしたらどういった内容なのかは事前に把握しておく必要があります。   2.国公立医学部受験は、まず共通テスト   国公立医学部一般選抜は、1月に共通テストを受けることから始まります。 国公立医学部受験の「本番」とも言われる一般選抜では、共通テストの得点が合否に大きく影響します。 共通テストでしっかり得点出来れば、共通テストの配点が高い大学なら「逃げ切り」を期待することも可能になります。   なお、国公立医学部の学校推薦型選抜や総合型選抜でも、共通テストの得点を合否判定に使用する大学が多く、一般選抜に限らず国公立大学医学部受験では共通テストは非常に重要になります。   3.共通テスト対策、いつからどうやる?   国公立医学部受験では、共通テストは、原則、英語、数学、理科、国語、地歴公民の5教科7科目を受験する必要があります。 このうち、医学部受験生を悩ませるのが、国語と地歴公民です。 まず「地歴公民でどの科目を選択するか」からしっかり考える必要があります。 地歴公民には「2単位科目」と「4単位科目」があります。 4単位科目を選択すれば、受験校で困ることはないのですが、2単位科目に比べ負担は大きくなります。 群馬大学や大阪公立大学など2単位科目でも受験できる大学もありますので、よく考えて地歴公民の選択科目を決めてください。   また、国語と地歴公民に、どの時点から本格的に取り組むかも考えてください。 特に、私立医学部と併願を考えている場合、11月くらいに「国公立はやめて私立に絞る」となった場合、私立医学部にも共通テスト利用入試はありますが、基本的には、それまで国語や地歴公民に費やした時間は無駄になってしまいます。

私立医学部受験 入試情報

  私立医学部受験は10月の総合型選抜(AO入試)から始まり、11月の学校推薦型選抜へと続きます。 多少の時期のズレはあっても、10月には私立医学部受験はスタートします。 そして年が明けて共通テストがあって、そのあとに本番とも言える私立医学部一般選抜が始まります。 一般選抜を前期と後期に分けて行う大学もありますが、私立医学部入試で最も募集人員が多いのは一般選抜(一般入試)前期になります。 また、一般選抜では共通テスト利用入試も行われます。   私立医学部の共通テスト利用入試は、「絶対受けた方がいい」という医学部入試ではありません。 募集人員が少ないこともあり、ボーダーライン得点率は非常に高くなります。 国公立医学部の共通テストボーダーラインを、私立医学部共通テスト利用入試のボーダーラインが上回ることも珍しくありません。 「国公立医学部より高い得点が必要」ということです。 私立医学部の共通テスト利用入試で合格する力があれば、通常の一般選抜(一般入試)で十分に合格できます。   国公立医学部受験を考えていない私立医学部専願者が、私立医学部の共通テスト利用入試のために、共通テスト対策に時間を掛けることには賛成出来ません。 特に国語や地歴公民に時間を使うことは慎重であるべきです。   私立医学部の共通テスト利用入試の試験科目は、大学によって異なります。 順天堂大学医学部のように、国語と地歴公民も必要な大学もあれば、杏林大学医学部のように国語と地歴公民を必要としない大学もあります。 私立医学部の共通テスト利用入試を考える際は、試験科目に注意してください。   なお、私立医学部一般選抜では国公立大学のような「足切り」はありません。   2.数学無しの試験もある   私立医学部一般選抜の試験科目は、基本的に英語、数学、理科2科目ですが、全ての私立医学部入試がそうと言うわけではありません。 私立医学部一般選抜の中には、昭和大学医学部や帝京大学医学部のように「数学無し」で受けることが可能な大学もあります。   数学の試験範囲にも注意が必要です。 一般的には私立医学部一般選抜の数学の試験範囲は「数学Ⅲまで」ですが、東海大学医学部のように数学Ⅲが試験範囲に入っていない大学もあります。 「数学Ⅲからの出題は無い」ということになれば、受験生の負担はかなり軽くなります。 ただ、数学Ⅲをやらないということになれば、私立医学部の受験校が限られますので、慎重に考えることが必要です。   その東海大学医学部一般選抜では、理科は1科目になります。 「理科2科目のうち1科目は勝負できる自信はあるが、もう1科目が厳しい」という受験生にはチャンスが広がります。 試験科目を理解することで、自分に合った受験校を考えることが出来ます。   なお、一般選抜や共通テスト利用入試の前期と後期で試験科目が変わる大学もあります。 例えば近畿大学医学部共通テスト利用入試の試験科目は前期、中期、後期いずれも異なります。   「あの大学の試験科目は、こう」と決めつけることなく調べてください。 もし、自分で調べるのは大変だ、と考えるのなら私立医学部受験に詳しい予備校に相談するといいでしょう。 生徒でなくても教えてくれると思います。   3.突出する私立医学部の倍率   私立医学部が大変な激戦であることは、分かっていると思います。 とは言え、どれだけ激戦なのか、具体的には分かっていない受験生の皆さんが多いと思います。   日本私立学校振興・共済事業団法に基づいて政府全額出資で設立された文部科学省の外郭団体とも言える、日本私立学校振興・共済事業団が私立大学の「入学志願動向」を発表しています。 それによると、2021年度入試の医学部の志願倍率は24.1倍でした。 最も募集人員の多い、理・工学系の志願倍率は12.0倍、薬学部は6.4倍となっています。 文系学部では、文学部などの人文科学系学部が7.6倍、法学部や経済学部などの社会科学系学部が8.0倍でした。 医学部の24.1倍という倍率が他学部を圧倒する高倍率であることが分かります。 現在の大学受験では、私立医学部受験が飛び抜けて激戦であることが分かります。   4.他学部の入試と同じように考えてはいけない   前項で述べたように、私立大学の入学試験の中で医学部入試だけが特別な存在になっています。 医学部受験を他学部受験と同じように考えるわけには行きません。 大学入試全体の話の中に、医学部だけには当てはまらない話は非常に多くあります。   「推薦入試やAO入試では、大学にアピールするポイントが必要」といった話をよく聞きますが、医学部の推薦入試、AO入試には全く当てはまりません。 通常の学部が4年で卒業する中、6年間で医師国家試験に合格する知識を与えなくてはいけない医学部で何より大切なことは「医学部の勉強についていける人材か?」です。   「都市部の私立大学の入学者数を厳格化する」という話もありますが、医学部の入学者数は以前から、はるかに厳格に守られています。   大学受験全体の話の中には、医学部受験とは異なる話も少なくありません。 医学部受験生の皆さんは、そこには注意してください。

歯学部受験 入試情報

  日本国内で歯科医師として活動しようとすると、法律上どうしても歯科医師免許が必要になります。 歯科医師免許を取得するためには、国(厚生労働省)が行う歯科医師国家試験を受験し、合格することが必要です。 なお、歯科医師免許取得後は基本的に1年以上臨床研修を受けます。 臨床研修の病院も大学付属病院が多くなります。   このように、歯科医師として活躍するためには、歯科医師国家試験に合格しなければなりません。 歯科医師国家試験を受験するためには、原則として大学の歯学部歯学科で6年間学び、歯学部を卒業、または卒業見込みとなることが欠かせません。 歯学部歯学科を、卒業または卒業見込みで歯科医師国家試験の受験資格が与えられます。   最近の歯科医療、歯科医学の多様化・細分化に伴って、歯学部にも歯科衛生士や歯科技工士を養成する口腔保健学科など、歯学科とは別の学科を設置する大学も増えてきました。 しかし、歯科医師国家試験を受けるためには、歯学部歯学科を卒業することが必要です。 ちなみに、口腔保健学科などの学科は4年制ですが、歯学科は6年制になります。   歯学部歯学科(以下、歯学部とします)での6年間では、歯周病学、補綴学、歯科矯正学といった歯科医師に必要な知識や技術を学びますが、単に歯や口の中のことを学ぶだけではありません。 社会人、医療人としての教養や心構えに加え、全身との関連が重視されますので全身についても学びます。   歯や口は、人間にとって食べ物を摂取する入口であり、生命維持に欠かせない器官です。 人間が最後まで豊かな人生を送るためには「自分の口で食べる」ことが欠かせません。 また、話す・笑うといった人間らしい生活を送るための大切な器官でもあります。 歯科医師は、この人間にとって非常に大切な口や歯を守る、やりがいのある職業です。   2.歯学部受験の現状   ①全国の歯学部   現在、歯学部は国立大学11校、公立大学1校、私立大学15校に設置されています。 このうち、日本大学と日本歯科大学は歯学部(生命歯学部)をそれぞれ2つ持っていますので私立歯学部は17あることになります。 国立大学、公立大学、私立大学の歯学部を合わせると日本には全部で29の歯学部があることになります。 医学部医学科は、国立大学に43校、公立大学8校、私立大学31校に加え防衛医科大学校もありますので、全国82の医学部となります。 歯学部は全国に29、医学部は全国に82ですので、歯学部を設置する大学は多くなく、実際の受験校選択の幅も広くないことが分かります。   ②歯学部受験の難易度   前述のように、歯学部は、国立大学に11、公立大学に1,私立大学に17ありますが、歯学部受験の難易度は、国公立大学と私立大学では差があります。 国公立歯学部各校の難易度は多少の差はありますが、それほど大きな差ではありません。 一方、私立歯学部の難易度は大学により差があります。   河合塾の歯学部偏差値ランキングによれば、国公立歯学部前期で最も難易度が高いとされているのは、東京医科歯科大学歯学部のボーダーライン偏差値62.5です。 大阪大学歯学部のボーダーライン偏差値60.0が、それに続きます。 医学部と比べると、医学部の難易度ランキング下位グループと歯学部の難易度ランキング上位グループが同じくらいの難易度となっています。 とはいえ、医学部に続く難易度ですから簡単ではありません。   また、国公立歯学部12校のうち、後期日程を行うのは国立歯学部7校のみとなります。 前期日程に比べると募集人員も非常に少なくなり難易度も上がります。 国公立歯学部受験は「前期一発勝負」と考えてもよいと思います。 なお、国公立歯学部後期には、本来医学部を志望していた受験生も出願してくることも難易度が上がる要因の一つです。   私立歯学部の難易度に目を向けると、河合塾の私立歯学部偏差値ランキングで最もボーダーライン偏差値が高いとされているのは、東京歯科大学の偏差値57.5です。 昭和大学歯学部が偏差値52.5、日本歯科大学生命歯学部と大阪歯科大学が偏差値50.0で続きます。 河合塾の私立歯学部の難易度ランキングを見ると、ボーダーライン偏差値が偏差値30台とされている歯学部がいくつかあります。 また、ボーダーラインが設定できない「ボーダーフリー」とされた歯学部もあります。 このように私立歯学部の難易度は大学によって、差があります。   ただ、これらの私立歯学部偏差値ランキングはいずれも一般選抜前期・Ⅰ期の難易度になります。 私立歯学部受験では、学校推薦型選抜(推薦入試)、総合型選抜(AO入試)で歯学部進学を決める受験生が多く、一般選抜を受ける受験生は推薦・AOで合格出来なかった受験生が多い、という現実もあります。 一般選抜前期の偏差値を見て、「私立歯学部は簡単」と思っていると足をすくわれるかもしれませんので注意してください。   また、私立歯学部受験には一般選抜後期・Ⅱ期もありますが、難易度は上がると考えてください。 募集人員が少なくなるうえに、医学部志望者が併願先として歯学部後期・Ⅱ期に出願してきます。 歯学部受験は、まず推薦・AOの受験を考え、一般選抜を受けるなら前期・Ⅰ期で決めるように考えてください。

国公立歯学部受験 入試情報

  国公立歯学部受験は総合型選抜(AO入試)から始まり、学校推薦型選抜(推薦入試)が続き、そのあとに一般選抜前期日程、一般選抜後期日程が行われます。 一般選抜前期の前には、大学入学共通テストの受験があります。 一般選抜前期はすべての国公立歯学部で行われますが、一般選抜後期は国公立歯学部12校のうち7校のみで行われます。 半数近い国公立歯学部で一般選抜後期を行わない上に、各大学の募集人員も少なくなります。 国公立歯学部一般選抜は実質的に「前期一発勝負」といっても良さそうな状況です。   一般選抜の出願は共通テストを受けた後に、共通テストの自己採点の得点を考えながら、実際の出願校を決めて出願します。 この時、河合塾や駿台予備学校の「共通テスト自己採点集計」が非常に役に立ちます。 国公立歯学部一般選抜の出願に当たっては、「足切り」にも注意してください。 2段階選抜を行う大学では、その条件をしっかり確認することは欠かせません。   2.国公立歯学部受験は、まず共通テスト   国公立歯学部一般選抜は1月の共通テストの受験から始まります。 共通テスト後の各大学の試験は一般的に「2次試験」といわれます。 国公立歯学部受験では、共通テストが実質的に1次試験となります。 共通テストで高い得点が得られれば、出願校選択の幅も広がりますし、2次試験も有利に進めることが出来ます。   また、国公立歯学部の学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(AO入試)でも、共通テストの受験が必須となる場合がほとんどです。 総合型選抜(AO入試)というと学力試験は無いように思うかもしれませんが、例えば、北海道大学歯学部のフロンティア入試は総合型選抜(AO入試)ですが、学力試験として共通テストが課されます。   このように、国公立歯学部受験の合格を考える際には、一般選抜だけでなく学校推薦型選抜や総合型選抜でも、国語や地歴公民を含めた共通テストが非常に重要になります。   3.共通テスト対策は、いつからどう進める?   国公立歯学部受験では、共通テストの試験科目は、英語、数学、理科に加え国語と地歴公民も必要となります。 具体的な受験勉強の進め方としては、国語や地歴公民を後回しにしないで、多くの時間は掛けなくてもコンスタントに進めた方がいいでしょう。 共通テスト模試は早い時期から受けて共通テストを体感しつつ、基本的な力を蓄えた上で12月に共通テスト対策を集中的に行えばいいでしょう。

私立歯学部受験 入試情報

  私立歯学部受験は、まず総合型選抜(AO入試)から始まります。 毎年、11の私立歯学部が10月20日過ぎから総合型選抜を実施します。 早い大学は、11月1日に総合型選抜の合格発表を行いますので、11月1日に歯学部受験を終える受験生も出てきます。 総合型選抜に続き11月には学校推薦型選抜(推薦入試)が行われます。 全ての私立歯学部で学校推薦型選抜が行われます。 募集人員も多く、歯学部受験生の多くが学校推薦型選抜で歯学部進学を決めています。   年が明けて、1月中旬に共通テストがあります。 私立歯学部受験で共通テストの受験が必要となるのは、「共通テスト利用入試」だけです。 奥羽大学歯学部を除く16の私立歯学部で共通テスト利用入試を行っています。 共通テスト利用入試の募集人員は少なく、国公立歯学部との併願者も出願してくることで、ボーダーライン得点率も高くなります。 こういったことから、私立歯学部専願者の共通テスト利用入試への出願はそれほど多くはありません。 ただ、私立歯学部の共通テスト利用入試で合否判定に使用される科目数は多くありません。 多くの場合、国語や地歴公民の受験が必須ではありません。 そういった意味では、受けやすいとは思います。   共通テストが終われば私立歯学部一般選抜が始まります。 一般選抜には、前期・Ⅰ期と後期・Ⅱ期がありますが、後期・Ⅱ期は募集人員も少なくなる上に大学によっては医学部志望者が併願先として受験をしてきます。 その結果、前期・Ⅰ期に比べ難易度が高くなる傾向にありますので、一般選抜は前期・Ⅰ期で決めてしまうことを考えてください。 なお一部ですが、一般選抜Ⅲ期を行う歯学部もあります。   2.私立歯学部受験では数学に注意が必要   私立歯学部一般選抜では、数学の出題範囲が大学によって異なります。 歯学部受験生に人気のある東京歯科大学、昭和大学歯学部、大阪歯科大学の数学の出題範囲は、「ⅠA・ⅡB」です。 北海道医療大学歯学部も「ⅠA・ⅡB」です。 日本大学歯学部、松戸歯学部は「Ⅰ・Ⅱ」となります。 日本歯科大学生命歯学部、新潟生命歯学部、明海大学歯学部は「Ⅰ・A」が出題範囲となります。 このように、私立歯学部一般選抜では数学の出題範囲が大学によって異なります。 歯学部受験を考える際には「自分の志望校の数学の出題範囲」を確認してください。 なるべく数学の出題範囲を揃えることで、数学の勉強が無駄なくスムーズに進みます。   また、私立歯学部一般選抜では、数学無しでの受験が可能な大学もあります。 昭和大学歯学部、日本歯科大学生命歯学部・新潟生命歯学部では、数学と国語のどちらかを選択します。 国語を選択すれば、数学は不要になります。 また北海道医療大学歯学部、明海大学歯学部、日本大学松戸歯学部、東京歯科大学Ⅱ期、大阪歯科大学後期などでは、数学と理科のどちらかを選択します。 理科を選択すれば、数学を受ける必要はなくなります。 逆に数学を選択すると理科は必要なくなります。   このように私立歯学部受験では、「数学」がポイントになります。 数学無しで行くのか、ⅠA・ⅡBすべてを準備するのか、出題範囲を絞るのか、歯学部受験の準備を進める際には、きちんと考えてください。 あやふやなまま数学の勉強を進めると、効率のいい勉強は出来ません。 どうしたらいいのか分からなければ、私立歯学部受験に詳しい塾や予備校に相談するといいでしょう。   3.私立歯学部の倍率に惑わされてはいけない   私立歯学部一般選抜の倍率を見ると、多くの歯学部では実質倍率が2倍を下回っています。 2022年度入試の実質倍率を見てみると、東京歯科大学Ⅰ期が4.1倍、昭和大学歯学部Ⅰ期が3.4倍と実質倍率の高い大学もあります。 ちなみに、昭和大学歯学部Ⅰ期の志願倍率は8.7倍になります。 実質倍率は3.4倍ですから差があります。 「倍率」を見る時には、そこで言う倍率は「志願倍率なのか実質倍率なのか」を確認してください。   話を戻しますが、多くの私立歯学部一般選抜の実質倍率は2倍を下回っています。 そこだけを見て、「私立歯学部は難しくない」とは考えないようにしてください。   私立歯学部一般選抜からの入学者は、全体で900人ほどです。 一般選抜の前に行われる学校推薦型選抜、総合型選抜からの入学者は550人程度です。 一般選抜の前に私立歯学部受験生550人ほどが既に歯学部に合格しています。 この受験生は一般選抜を受けません。 また、学校推薦型選抜や総合型選抜で合格する受験生は学力上位の受験生が多いと思われます。 私立歯学部一般選抜は、私立歯学部受験生550人程度が抜けた後の試験になります。 当然、「倍率」は低くなります。 ですから、倍率だけを見て「私立歯学部は難しくない」と考えるのは危険です。   確かに、私立歯学部一般選抜の倍率は高くありません。 しかし、推薦・AOを含め私立歯学部受験全体を見ると、決して甘くはありません。

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